2014年 9月 の投稿一覧

数学について思う2,3のこと Part2

個別指導塾の学習空間,八千代大和田・四街道東教室の小西です.

前回の続きから話しましょう.前回読んでいない人はこちらから.↓

数学について思う2,3のこと Part1

③論理力
数学で言う論理的思考力とは,必要十分条件について吟味出来る能力を言います.いきなりですが,中学2年生の連立方程式の問題について深く理解してみましょう.

[問1]以下の連立方程式を解け.
\[x+y=5\cdots ①,x-y=1\cdots ②\]

中学2年生以上であればなんでもない問題でしょう.$\displaystyle \frac{①+②}{2},\frac{①-②}{2}$をそれぞれ計算して,答えは
\[x=3,y=2\cdots 答\]
となります.ちなみに,この連立方程式は加減法でも代入法でも解けます.しかし,次のような連立方程式はどうでしょうか?中堅レベル以上の中3生,あるいは高1生以上は解けると思います.

[問2]以下の連立方程式を解け.
\[y=x+1\cdots ①,x^2+y^2=1\cdots ②\]

取り敢えず解いて見ましょう.

<解答>
①を②に代入し,$y$を消去する.
\begin{eqnarray}
x^2+(x+1)^2&=&1\cdots ③\\
x(x+1)&=&0 \\
x&=&0 or -1\cdots ④
\end{eqnarray}
④を①に代入してそれぞれ$y=1 or 0$を得る.したがって,
\[(x,y)=(0,1) or (-1,0)\cdots (答)\]

高校生であればなんでもない問題です.数学Ⅱを学んでいる人なら,この連立方程式の解が,原点を中心とする半径1の円と,直線の交点として与えられることは既知でしょう.
さて,私はいつも数学を教えるとき人に言いますが,解くだけなら誰でも出来ます.この問題を,ひいては連立方程式というものを正しく理解しているでしょうか.では次の質問に答えてみてください.何分考えても構いません.

<質問>
問2で,④を②に代入してはいけないのか?

結論から言うと,ダメです.その事実は試してみればわかるのでいちいちここで説明しません.問題は「なぜダメなのか?」ということ.問1ならば,代入法で解く際,一方の変数を消去して得られた式は①,②のどちらに代入しても正しい解が得られます.なぜ,問2ではダメなのか.説明していきましょう.まず,そもそも①,②という連立方程式を解くということは,「『①かつ②』を満たす実数$x,y$を求めること」です.もっと正確に言うと以下が成り立つような$a,b$を求めなければならないのです.
\[①かつ②\iff (x,y)=(a,b)\]
つまり,「①かつ②」という命題に同値変形(必要十分な変形)を施して,最も簡単な命題「$(x,y)=~$」にするというのが連立方程式を解くということなのです.

では実際に解法を見て行きましょう.まず,①を②という式に代入して③という式が得られたわけですから,以下の式が成り立ちます.
\[①かつ②\Longrightarrow ③\]
矢印が片方にしか向いていない,つまり必要十分になっていないことに注意して下さい.なぜなら③という式だけでは「①かつ②」という連立式に戻れないからです.これを必要十分にするためには以下のように①を組み込んであげる必要があります.
\[①かつ②\iff ①かつ③\]
①と③を組めば①と②が出てくるのはお分かりでしょう.これで③を①に代入するのはOKなことが分かりました.しかし,ここで②と③を組めばどうでしょうか?
\[①かつ②\iff ②かつ③\cdots ???\]
少し考えれば明らかでしょう.$x^2+(x+1)^2=1$と$x^2+y^2=1$から$y=x+1$はどうやっても導けません.「式の形を見れば$y=x+1$になるしかないじゃないか!」という人,仮にそのようなことが成り立ったとしても言えるのは,
\[y^2=(x+1)^2\iff |y|=|x+1|\iff y=\pm(x+1)\]
ということだけです.符号の違いは絞り込めません.つまり,④を②に代入するのは「論理的にダメだ」ということになります.これを一般化すると以下の命題が導けます.

<命題>以下が成り立つ.
\[y=f(x)かつg(x,y)=0\iff y=f(x)かつg(x,f(x))=0\]

難しいでしょうか??分かりやすく言うと「代入して得られた式は代入『した』式に代入せよ!」ということです.これを『代入法の原理』といいます.めちゃくちゃ大事です.丸暗記しても損はしません.

話が少しそれました.何が言いたかったかというと,連立方程式のような簡単そうに見える問題も必要十分条件が支配しているということです.だから論理的にものを考えることが大事なのですね.

④発想力(要はセンス)
最後の項です.論理も大事だし計算力も大事ですが,なんだかんだ数学はセンスも重要です.よく数学をやってきた人の中には「数学は論理的だから誰だって理解できる.センスなど必要ない」ということを豪語する人もいらっしゃいます.しかし,このセンス.いりませんかねぇ?例えば有名私立中学の入試問題などを見ていると「は?こんなん思いつくわけないやん」と突っ込みたくなるような初等幾何の問題に出くわすことがあります.センス,ひらめきも大事なのです.少し難し目の問題を見てみましょう.ちなみに数学検定1級の問題です.使う知識は数学Iの知識と二項定理のみです.

[問3]
$n$は自然数とし,$(5\sqrt{2}+7)^{2n+1}$の整数部分を$A$,小数部分を$a$とするとき,$(A+a)a$の値を求めよ.

[解答]
$X=(5\sqrt{2}+7)^{2n+1}-(5\sqrt{2}-7)^{2n+1}\cdots ①$とおく.二項展開を考えると,$X$は整数である.ここで,$7<5\sqrt{2}<8$より,$0<5\sqrt{2}-7<1$であることから,$0<(5\sqrt{2}-7)^{2n+1}<1\cdots ②$.
また,①より$(5\sqrt{2}+7)^{2n+1}=X+(5\sqrt{2}-7)^{2n+1}$.$X$が整数で,②より$(5\sqrt{2}-7)^{2n+1}$は少数なので,
\[A=X,a=(5\sqrt{2}-7)^{2n+1}\]
また,$A+a=(5\sqrt{2}+7)^{2n+1}$なので,
\begin{eqnarray}
(A+a)a&=&(5\sqrt{2}+7)^{2n+1}\cdot (5\sqrt{2}-7)^{2n+1}\\
&=&\{(5\sqrt{2}+7)\cdot (5\sqrt{2}-7)\}^{2n+1}\\
&=&1^{2n+1}=1\cdots (答)
\end{eqnarray}

これは初めて見たとき,「嘘やん」ってなりました.論理はあんまり関係ない,発想力が生み出す解答です.
では,発想力を鍛えるにはどうすればいいのか?これは私にはまだまだ答え難い質問です.中高レベルで言えば「良い問題にたくさん出会う」ことが大事だと思います.大学入試レベルで言うといわゆる難関大学の入試問題はいい問題が多いので見てみるといいかと思います.もう一つは,なるべく幼いうちに初等幾何学・初等整数論・組合せ論のどれか一つでもいいからどっぷり浸かることです.この3つがどういうものかよくわからない人はググッてください.

2回に分けて数学における大事な能力についてお話しました.お見苦しい箇所多々あったと思いますが,温かい目で見てください.

成績,伸び悩んでいませんか?


蝉、恋

個別指導塾の学習空間、習志野藤崎教室の高橋です!

またの名を語学大好きっ子の高橋です(最近は数学も好きです)!!
今回は、蝉のお話からスタートです。なんで蝉か、って??
それはあれだけ声高に歌っていた彼らが、ほぼ全滅状態だからです。

もともと日本には、ごく短い期間だけ派手に現れて、間もなく終焉を迎えてしまう、そういうものが多いと思います。例えば、桜や梅雨、紅葉(最近ではますます見なくなりましたが)などがそうですね。

そして、蝉もその一つだと思います。土の中で長い年月を過ごし、やっと地上デビューして花々しく活躍した矢先、たった一週間ちょっとの命です。たぶん土の中には、地上デビューを持ち詫びながら必死にボイストレーニングしている蝉もいれば、ぬくぬくした土の中がむしろ好きでモチベーションが最後まで上がらなかった蝉もいるでしょう。でも、必ずどの蝉に対しても、その時は来ます。もっとも、ごく短い間ですが。

ところで、これって受験と似ていませんか。試験本番に向けて、合格するために必死に勉強している人。高校入試なんて何であるんだろうと思いながら、中々勉強に向き合えない人。でも、誰に対しても入試の日は必ず来ます。そして、当日の試験はたった5時間で「終了~」です。

もちろん私は塾の講師という立場上、「どうせ一瞬で終わる試験なんだから、日頃からモチベーションを上げて十分に準備しておきなさい」と前者の立場の人を応援し、後者の立場の人は、すぐにでも自分の立場を改めるように諭します。

そして、今回伝えたかったのは、「蝉と受験の話」だけではなく、我々の一生にどれだけの「刹那(せつな)」が溢れているか、ということです。一時だけブワ~っと燃え上がり、気付いた時にはシュンと消えてしまう、だからこそ価値がある。これを「刹那」といいます。桜も、梅雨も、蝉も、紅葉も、受験も、そして...恋...さえも全て「刹那」です。そしてこの「刹那」という言葉は、おそらく、外国語には上手く翻訳できないような日本独特の表現です。ですから、みなさんも日本で勉強している以上、刹那の時間を大切にしていきましょう。

ではでは~

千葉・四街道の塾なら個別指導の学習空間

9月になりました

個別指導塾の学習空間、八千代台教室.八千代大和田教室の佐藤です.

皆さんお元気でしょうか.肌寒くなってきました.秋の気配を感じます.

さて,秋といえば読書の秋.ということで私も小説を読み始めました.
「フリーター,家を買う」という本です.TV化もされたのでご存知な方も多くいらっしゃると思います.

これがなかなか面白く,同時並行でドラマのほうもレンタルして観ています.

ご興味のある方はぜひ. 

千葉・四街道の塾なら個別指導の学習空間

数学について思う2,3のこと Part1

個別指導塾の学習空間,八千代大和田・四街道東教室の小西です.

昨日の塾内模試,お疲れ様でした.塾でもやり直しはしましたが,受験した生徒諸君は必ず家でも何回か模試の問題を解き直して下さい.それが自らの血となり肉となるわけです.
そう言えば夏休みももうお終いですね.私の出講している四街道東教室や八千代大和田教室でも旅行や田舎に行っていた生徒が多く,羨ましい限りです.かくいう私もお盆は帰省していました.読みためてる本を消化しようと意気込んでいたのですが,なんだかんだお盆はイベントが多く,なかなか進みませんでしたがねw

さて,今回からは数学の能力とはどういうものか,そしてそれを踏まえて中学・高校でどのように数学を学んでいけばいいのかについて何回かに分けて書きます.長いし,そこそこ数式も出てきますのでちょっとばかし難しいかもしれませんが,ぜひぜひ読み切って下さい.数学力とはどういうものかは結構色んな人が言っているところです.中には「数学は暗記だ」なんていうトンデモなことをいう人もいます.もちろん覚えること「も」必要ですよ.ではちょっと長くなりますがお付き合い下さい.
まず,数学力というのは大きく4つに大別されます.
①知識量
②計算能力
③論理的思考力
④発想力(要はセンス)
これらはどれも大切です.どれが1番などはありません.一つ一つ見て参りましょう.

①知識量
よく「数学は暗記科目じゃない」と言われます.ですが,知識は不可欠です.例えば,以下の様な簡単な問題を考えます.

問:$\displaystyle \log x$の原始関数を求めよ.

一般的な解法は以下のとおりでしょう.
[解答]
\begin{eqnarray*}
\displaystyle \int \log x dx&=&\int (x’)\log x dx\\
&=&x\log x-\int x(\log x)’ dx\\
&=&x\log x-\int x\cdot \frac{1}{x} dx\\
&=&x\log x-\int dx=x\log x-x+C(C:const)
\end{eqnarray*}

しかし,$\int \log xdx=x\log x-x+C$だということを「知っている」ならば,以下のような解答もアリです.
[解答2]
$(x\log x-x)’=\log x -1-1=\log x$より,$\log x$の原始関数は$x\log x-x+C(C:const)$である.

もちろん解答2は正当な方法ではないにせよ,解答としてはなんの問題もありません.数学において「知識を持っている」というのは多少なりとも大事なことなのです.

②計算能力
数学という教科の中心に計算はないのですが,計算能力というのはやはり重要です.しかし,計算能力とは単に「計算が速いこと」ではありません.計算能力とは「見通しの良い計算ができること」であります.今度は中学3年生レベルの問題を考えてみましょう.とある問題集からの抜粋です.

問:$5(x+6)(x-6)+2(2x-1)^2$を計算せよ.

大体の中学生の方は次のように計算するのではないでしょうか?
[解答]
\begin{eqnarray}
5(x+6)(x-6)+2(2x-1)^2&=& 5(x^2-36)+2(4x^2-4x+1)\\
&=&5x^2-180+8x^2-8x+2\\
&=& 13x^2-8x-178
\end{eqnarray}

もちろんこれで満点です.しっかり展開公式が使えてるなという感じです.しかし,もう一歩先に進んで,この程度の計算ならば暗算で済ませてしまいましょう.
まず,問題の式は$1次式\times 1次式+(1次式)^2$という形になっていますね.1次式と1次式を掛けあわせると結果は2次式になります.ということはこの式は$2次式+2次式$という形になり,その結果は2次以下の式になるはずです.2次以下の式は必ず$ax^2+bx+c$の形で表せますので,上の計算をするにはこの$a,b,c$を求むれば良い,ということになります.具体的な計算はまだ何もしていません.
ではやっと計算を始めましょう.まず$x^2$の項は$5(x+6)(x-6)$の部分から$5x^2$,$2(2x-1)^2$の部分から$2\times 4x^2=8x^2$が出てきますのでこれらを加えて$13x^2$です.これは頭で覚えておくか,書いてもいいでしょう.次に$x$の項は,$5(x+6)(x-6)$の部分からは出てきませんね.$2(2x-1)^2$の部分から$2\times (-4x)=-8x$が出てくるので$x$の項は$-8x$です.最後に定数項は$5(x+6)(x-6)$の部分から$5\times (-36)=-180$,$2(2x-1)^2$の部分から$2\times 1=2$が出てきますので加えて$-178$です.あとはこれらを書き並べて$13x^2-8x-178$とすればおしまいです.
長ったらしく書きましたが,具体的な数式から式の次数にのみ着目するというマクロな視点を持つことによって計算結果を見通し,効率よく計算を実行出来たわけです.慣れてくるとこれくらいの問題なら数秒で答えられるようになります.
高校数学でもう1つ例を出しましょう.次の問題を考えます.

問:曲線$C:y=x^3-px+q$上の$x$座標が$t$なる点$P$における接線$l$を考える.$l$と$C$の点$P$以外の交点の$x$座標を求めよ.

点$P$における曲線$C$の接線$l$は
\[y=(3t^2-p)x-2t^3+q\]
です.これを求める過程は省略します.よって$l,C$の交点を求めるために以下の方程式を考えます.
\begin{eqnarray}
&&x^3-px+q=(3t^2-p)x-2t^3+q\\
&\therefore& x^3-3t^2x+2t^3=0・・・(i)
\end{eqnarray}
こっからが計算力があるかないかが分かれる箇所です.よくある解答は因数定理を使いたいがために(i)が成り立つような$x$を探すというのも.当然$x=t$を代入すると(i)は成立しますので,因数定理により,
\[(x-t)(x^2+tx-2t^2)=0\iff (x-t)^2(x+2t)=0\]
となり,求める$x$座標は$x=-2t$であることが分かります.
しかしこれももっと見通しよく計算しましょう.そもそも曲線$C$と直線$l$は点$P$で接するわけです.つまり,接するということは(i)が$x=t$で重解を持つということと必要十分ですから,方程式(i)が$(x-t)^2$を因数に持つというのは初めから分かっているのです!!
つまり計算力のある人は(i)という3次方程式を求めたらすぐに,何も考えずに
\[(x-t)^2(xの1次式)=0\]
と書けるのです.そして3次の項と定数項だけを見て係数を決定することにより,(i)を瞬時に
\[(x-t)^2(x+2t)=0\]
とすることが出来るのです.こう見ると計算力とは「計算をしなくて済むようにする能力」ということも出来ますね.

③論理的思考力
まぁ数学といえば,コレって感じでしょうか.数学で言う論理的思考力とは,かなり大雑把に言ってしまえば必要条件・十分条件を用いて正確な議論が出来る能力です.その前に必要条件十分条件について簡単に述べておきましょう.

[定義(definition)]
   命題$p,q$について\[p\Longrightarrow q\]
   が成り立つとき,$p$を$q$の十分条件,$q$を$p$の必要条件とそれぞれ呼ぶ.また,
\[p\Longrightarrow qかつq\Longrightarrow p\]
   が成り立つとき,$p$は$q$の($q$は$p$の)必要十分条件であるといい,
\[p\Longleftrightarrow q\]
   とかく.またこのとき,$pとq$は同値であるともいう.

例えば「Aさんは千葉県に住んでいる」という命題を$p$とし,「Aさんは関東地方に住んでいる」という命題を$q$とすると,$p\Longrightarrow q$は成り立ちますが,$q\Longrightarrow p$は成り立ちません.関東に住んでいるからといって,千葉県に住んでいるとは限らないですもんね.つまり,$pはq$の十分条件であり,$qはp$の必要条件であるといえます.関東に住むためには千葉県に住んでいれば「十分」ですし,千葉県に住むためには関東に住むことが最低でも「必要」ですよね.関東に住んでいなければ千葉には決して住んでいないわけですから.

今回はこの辺にして,続きは次回に譲ります.
さて,最後に,この必要十分という考え方は高校の数学Iで学びますが,ちょろっとやっておしまいという高校が多いのではないでしょうか?実際はこの必要十分という考え方はとてつもなく重要です.なぜなら数学の問題を解くということは
\[必要十分な変形を施して,与えられた問題を最もシンプルに言い換えること\]
だからです.「え?そうなの?」という疑問に答えるところから次回は話を始めることにしましょう.

千葉
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